2022.01.07

没入感のある展示空間を再現した “Ambient Weaving ── 環境と織物”バーチャル展示会サイトを公開

東京大学、細尾、ZOZO NEXTの3者共同研究成果展示会をWeb上で公開
没入感のある展示空間を再現した             “Ambient Weaving ── 環境と織物”バーチャル展示会サイトを公開

株式会社ZOZO NEXT(本社:千葉県千葉市 代表取締役CEO:金山 裕樹 以下、ZOZO NEXT)は東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区 大学院情報学環長:山内祐平 以下、東京大学)筧康明研究室(主宰:筧康明准教授)ならびに株式会社 細尾(本社:京都府京都市 代表取締役社長:細尾真孝 以下、細尾)との共同研究プロジェクト「Project Foil(※1)の研究成果展示“Ambient Weaving ── 環境と織物”をWeb上で再現したバーチャル展示会サイトを公開しました。

バーチャル展示会サイト開発の背景

本共同研究では、伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせ、機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発に関する研究をおこなっています。2021年4月から9月まで、京都・HOSOO GALLERYにて研究成果展示として“Ambient Weaving ── 環境と織物”を開催(※2)しておりましたが、昨今の感染状況もあり、多くの方にご来場いただくことが難しい状況にありました。そのことから、展示作品をより多くの方にご覧いただけるよう、展示空間の様子をそのままに再現したバーチャル展示会サイトの公開に至りました。

画像3

バーチャル展示会サイト概要

本展示では、柔らかな紐状の有機ELを織り込み通電させると発光する西陣織や、周囲の温度変化に合わせて変色する西陣織など、日本の伝統技法である西陣織に先端テクノロジーを掛け合わせた5作品を展示しています。
展示会タイトルである“Ambient Weaving”は「環境の情報を織り込んだ布」、あるいは「環境と相互作用する布」を指します。そのため、展示会場では周囲の空間と展示作品の関係を重視し、光の状況や温度管理、センサーによる環境情報の視覚化などをおこなうことで、より織物の変化が際立ち、美しく魅せるよう空間全体をデザインしています。
本バーチャル展示会サイトは、展示空間の様子を全天周360度カメラで撮影し、実際の会場の雰囲気や作品配置をそのままにバーチャルで再現しています。画面を通して、会場内を歩いているような感覚を味わいながら、一つひとつの展示作品を動画や写真で楽しむことが可能です。

今後の展望

当社と東京大学、細尾による3者共同研究は現在も継続しており、さらなる発展を目指して研究開発を進めています。また、現在、本バーチャル展示会サイトで公開中の展示作品や本共同研究にて開発したテクノロジーを活用し新たなサービスを共創するパートナー企業を募集しています。3者が持つ意匠およびテクノロジーと、パートナー企業が持つノウハウやテクノロジーをかけ合わせ、織物の機能と意匠を両立した新たな表現を追求してまいります。

バーチャル展示会サイトURL

展示会コンセプト

“Ambient Weaving” とは、「環境情報を表現する織物」「環境そのものが織り込まれた織物」を指します。織物の歴史は、人間の歴史と同等に壮大なものです。歴史を振り返れば、織物とは、常に人間が環境と対話するなかで作り上げてきたものにほかならないことが見えてきます。植物繊維や動物繊維といった自然環境の素材による糸を織物に用いるだけでなく、いわゆる「草木染め」のように植物によって織物を染色するほか、こと日本においては、織物に花鳥風月といった自然のモティーフを扱うことが盛んに行われてきました。

現代の我々にとって、もはや手付かずの自然は身近ではなく、人工的に形成されてきた環境のなかでの生活が当たり前となっています。「人新世」と言われ、しばしば「自然」という概念そのものの見直しが議論される現代において、環境と織物の新しい姿とはどのようなものでしょうか。本展 “Ambient Weaving ── 環境と織物”は、こうした問いを据えつつ、先端テクノロジーと伝統技法を掛け合わせることで、織物の機能と意匠を両立した新たな表現や体験の拡張を試み、現代における人間と環境と織物のあり方を提示するものです。

報道関係者のみなさまへ

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