ENVISIONING  THE FUTURE WITH SMART MATERIALS
Co-Creation:Industrial Project with CIID

ENVISIONING  THE FUTURE WITH SMART MATERIALS

スマートマテリアルで未来を構想するCIIDとの共創プロジェクト

CIIDはイノベーションを起こすためのデザイン教育やコンサルティングなどを行っている会社です。ZOZO NEXTはCIIDと共に、ファッションテックの未来に関するサステナビリティと新規領域の可能性について未来を洞察する共創プロジェクトを実施しました。
ZOZO NEXTのMATRIX部門はファッション産業に欠かせないテキスタイル素材に関する研究開発と新規事業の創出を中長期のテーマとして掲げています。

ファッションには様々な側面がありますが、環境に与える影響は全産業でも2位となっており、ファッション産業の持続性の確保は最重要テーマの1つとなっています。CIIDはLife-Centeredのアプローチを掲げており、国連の公式パートナーとしてSDGsのイノベーションをリードする会社です。ZOZO NEXTは研究開発を行ってきたスマートマテリアルに関する知見や応用領域の課題を多様な専門性を有するCIIDのメンバーにテーマとして共有し、共に自然豊かなCIID Costa Rica Studioでコンセプト創出からプロトタイプまでの一連の活動を行いました。

デザインする対象は30年という長い時間軸を設定し、未来に存在するかもしれないテキスタイルの形を下の4領域に対して提案しました。

・Live Performance
・Automotive
・Living Spaces
・Sports & Fitness

本プロジェクトは、講師としてサステナブルファッションとデザインエンジニアリングの専門家とCIIDとZOZO NEXTのメンバーにより2週間の期間で実施しました。

image-0-0image-0-1image-0-2

LIVE PERFORMANCES - TesseLive

– Jose Avila, Jennifer Cob and Pablo Corella
image-3-0

TesseLive は、自宅などの遠隔地にいながら、現場さながらのライブ体験を可能とするスマートテキスタイルセットです。デジタル空間と物理空間のギャップを埋めることを試みたコンセプトです。

Live Performancesチームのリサーチでは過去の様々な演劇の系譜や演出家、愛好家などへのリサーチを行いました。古来から人々を惹きつけるための様々な仕掛けなどの要素に着目しつつ、未来のテクノロジーが可能とする体験などを考察しました。また、人やモノの移動、それに伴う資源の浪費などの課題を分析していきました。 いくつかのインサイトの中で、将来のLive Performanceの形としてデジタル配信されるコンテンツとそれを楽しむ遠隔空間での体験をテキスタイルの機能によっていかに埋めていくかについてのシナリオを提案しました。プロトタイピングでは音だけではなく、視覚や触感に訴えかけるテキスタイルのデモを作成し、実際に参加者で体験しました。

image-5-0image-5-1image-5-2

AUTOMOBILE - AMINO

– Karla Ramona, Victoria Portugez, Lisa Guo
image-8-0

AMNIOは様々な形態に変形する移動様のコンセプトウェアです。歩行、自転車、交通機関、車両共有といった様々なコンテクストに合わせたモード変化を行い、安全、快適にそしてスタイリッシュに移動することをコンセプトに掲げています。

チームはAutomobileをキーワードにリサーチを重ねていきました。その中でサステナビリティや技術発展の観点から、未来にはシェアリングの考えがより拡張されていくという未来を洞察し、それは自動車に留まらず、交通公共機関や自転車など様々なモビリティに波及すると考えました。その未来では安全・快適・便利さをシームレスに繋げることに価値を見出し、衣服が変化するメディアとして機能するシナリオを描きました。

image-10-0image-10-1image-10-2

Living Space - NATURE NETTING

– Karla Ramona, Victoria Portugez, Lisa Guo
image-13-0

NATURE NETTINGは太陽光や風を電気に変換し、雨水を濾過して飲料水に変える機能を有した毛布(テキスタイル)です。修理が簡単なモジュール式の構造になっており、定住しない遊牧民のような生活を送る人々にシェルターを提供することをコンセプトとしました。

Living Spaceチームは今回のプロジェクトの中で唯一のリモート参加者によって構成されたチームでした。事前にファシリテーションチームによりスマートテキスタイル用部材のツールキットなどを郵送する形で遠隔でありながらプロトタイプやデザインリサーチを行うという試みも行いました。 Living Spaceという広いスコープの中から、社会環境の変化と共に今後ますます増加し得る、遊牧生活を送る人々(難民などを含む)に着目し、コンセプト提案を進めました。

image-15-0image-15-1image-15-2

Sports and Fitness - COMPANION

- Christoff Trexler, David Alvezq and Michika Saji
image-18-0

「COMPANION(コンパニオン)」は、体に装着される人の免疫システムの拡張として機能し、痛みを軽減する「自動で動く」包帯です。医療費が高額になるにつ連れて、病気やケガはその予防や軽減をよりその場でパーソナライズされた形でケアされていく未来を洞察しています。

Sports and Fitness チームはエキスパートインタビューを通して、トレーニング・リハビリなどのコンテクストに対してインサイトを得ました。また、デスクリサーチでは人に対するリサーチだけではなく生き物の仕組みや機能にも着目することで、発想を広げ、2050年のSports and Fitnessにおけるテキスタイルはよりユーザーとよりインタラクティブにケアを行うコンパニオン(パートナー)として振る舞う未来を提案しました。プロトタイプでは、その振る舞いを表現する技法を検討し、ユーザーに装着するなどのテストを行いながら実装のイメージをより具体化していきました。

image-20-0image-20-1image-20-2

共創プロジェクトでは、2週間の期間で30を超えるユーザーインタビューの結果や各テーマ毎に5つ以上のインサイトと3つ程のコンセプトが提案されました。 プロジェクトの後半ではこれらのコンセプトの内1つを掘り下げて、シナリオを語るプレゼンテーションや動画が作成され、現地ではデモが実施されました。これらの成果や知見は現在実施されているR&Dや新規事業創出の活動でも積極的に活用されています。

ZOZO NEXTではファッションテックやそこの隣接する様々な産業やデザイナー、アーティストも巻き込みながらファッションの未来を広げる活動を継続してまいります。本プロジェクトで提案されたコンセプトやファッションテックに関する未来洞察の活動に興味のある方は info-zozonext@zozo.com までご連絡ください。