2023.08.01

ZOZO NEXT・東京大学・細尾の共同研究プロジェクトによる作品展示“Ambient Weaving Collection --環境と織物”を本日より7日間、東京・丸の内「HaNT」にて開催

ZOZO NEXT・東京大学・細尾の共同研究プロジェクトによる作品展示“Ambient Weaving Collection --環境と織物”を本日より7日間、東京・丸の内「HaNT」にて開催

株式会社ZOZO NEXT(本社:千葉県千葉市 代表取締役CEO:澤田宏太郎 以下、ZOZO NEXT)、東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区 学環長:山内祐平 以下、東京大学)筧康明研究室(主宰:筧康明教授)、株式会社 細尾(本社:京都市中京区 代表取締役社長:細尾真孝 以下、細尾)、三菱地所株式会社(本社:東京都千代田区 代表執行役 執行役社長:中島 篤 以下、三菱地所)は、ZOZO NEXT・東京大学大学院情報学環・細尾の共同研究プロジェクトによる作品展示イベント“Ambient Weaving Collection --環境と織物”を、本日8月1日(火)から8月7日(月)までの7日間、東京丸の内にあるツーリスト・コミュニケーション・センター「Have a Nice TOKYO!(運営:三菱地所株式会社 以下、HaNT)」にて開催いたします。

今回の展示では、海外展示会で注目を集めた「STARTS Prize 2022」栄誉賞受賞作品のうち2作品、周辺環境の温度に応じて呈色する織物「Wave of Warmth」、糸の中を染料が移動する織物「Drifting Colors」に加え、国内外で一般初公開となる、現在研究開発を進めているプロトタイプシリーズ Woven Prototypes(WP)のうち6点を含む、作品計8点の展示をおこないます。

<展示作品一覧>

※詳細は本リリースの下記をご参照ください。

・「WP001 <Sounds>」:緯糸の箔から音を鳴らすことができる織物(*)
・「WP002 <Optical Unveil>」:入射光と鑑賞者の位置によって見え方が変化する織物(*)
・「WP003 <Layers>」:2枚の織物が重なった状態で光が透過すると呈色する織物(*)
・「WP004 <Pillars>」:1枚の布から立体形状に変形可能な織物(*)
・「WP006 <Iridescence>」:織物の表面と影が異なる様態を示す織物(*)
・「WP007 <Pixels>」:ドットマトリックス状に発光する織物(*)
・「Wave of Warmth」:周辺環境の温度に応じて呈色する織物
・「Drifting Colors」:糸の中を染料が移動する織物

(*)今回一般初公開となる作品

Ambient Weavingとは、2020年より始動した、ZOZO NEXT・東京大学・細尾による共同研究プロジェクトの過程で創出したコンセプトであり、プロジェクト始動以来、伝統工芸である西陣織の構造や意匠に先端素材やデバイスおよびインタラクション技術を組み合わせることで、周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と表現の両立を試みてきました。従来の染色プロセスでは塗工困難な色域の温度応答性色素を定着させた引箔、布に織り込めるほど薄くしなやかな発光・透明度変化デバイスなど、環境に応じて見た目や特性を変化させる機能を西陣織の上に付与した、新たな意匠性を有するテキスタイルとして「環境情報を表現する織物」や「環境そのものが織り込まれた織物」の制作と要素技術開発を実現しました。

本展示を通じて、西陣織の構造や意匠に先端素材やデバイスを掛け合わせることで実現する、機能性と美を両立する新しいスマートテキスタイルの可能性を提案し、多くの方に、ファッションやテキスタイルの未来を想像しながら革新的なテキスタイル作品展示を楽しんでいただくとともに、展示を通じて得られた来場者の方からの反応などを今後の共同研究に活かしていきます。

展示会概要・展示作品の詳細は下記をご参照ください。

<展示会概要>

展示会名:Ambient Weaving Collection --環境と織物

展示内容:Ambient WeavingおよびWoven Prototypesの作品(新作6点を含む、計8点)

URL:https://ambientweaving.lab.zozo.jp/collection/

告知映像:「Ambient Weaving Collection」(動画URL:https://vimeo.com/846491798/)

開催期間:2023年8月1日(火)12:00-17:00

2023年8月2日(水)~8月7日(月)11:00-20:00

場所:Have a Nice TOKYO! [HaNT](https://haveanice.jp/)

住所:東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル1F

アクセス:JR東京駅 徒歩3分、丸ノ内線東京駅 徒歩3分、千代田線二重橋前駅 徒歩1分

入場料:無料(事前申込不要)

主催:株式会社ZOZO NEXT、東京大学大学院情報学環筧康明研究室、株式会社 細尾、三菱地所株式会社

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協力:Tokyo Marunouchi Innovation Platform

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<「Ambient Weaving Collection --環境と織物」展示作品紹介>

■WP001 <Sounds>(※一般初公開)

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この織物は圧電性を有する高分子フィルムの両面に電極を設けた素材を引き箔として織り込み、スピーカーとして機能します。緯糸の部分のみがオーディオの電気信号により振動するため、特定部位のみに音を発生させたり、形状に応じて音の広がりを変化させたりすることができます。

また、織物は外の音を透過するため、環境音に織物からの音を重畳する等、従来とは異なる音の演出を実現します。

■WP002 <Optical Unveil>(※一般初公開)

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この織物は入射光と観察者の位置により見え方が変化します。再帰性反射性のビーズと薄膜干渉層を備えた特殊な箔糸が織り込まれており、入射光の角度に応じた光路長に対応する干渉色を示します。西陣織の立体構造により、同じ箔糸でありながら多様な色が表れ、観測者との相対的な位置関係により、見え方が変化する様子を鑑賞できます。本プロトタイプの技術は量産織機を用いた大型化も可能となっています。

■WP003 <Layers>(※一般初公開)

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2枚の織物を重ね、光が透過すると発色する仕組みを持つインスタレーション。偏光板とOPPテープで構成された箔が織り込まれ、光が織物を重ねた状態で透過すると複屈折による光の干渉により偏光色が表れます。同じ素材ながらも偏光板の向きやテープの厚みを変えることで複数の色を表現し、また箔の順番のアレンジにより様々な色パターンを生成します。鑑賞位置によってもその見た目は動的に変化します。

■WP004 <Pillars>(※一般初公開)

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巻き取れる1枚の布から立体形状に変形可能な織物。2種類の長さの靭性のあるカーボンバーが緯糸の一部に織り込まれています。バーの端部をスナップボタンで接続することで織物は立体へ変化します。形状はシミュレーションにより設計され、接続順序・位置を変えることで同じ織物から複数の異なる形の立体が構成できます。今回展示される3つの立体は、それぞれ蕾・半開き・全開の花をイメージし、同一設計の織物から造形されました。

■WP006 <Iridescence>(※一般初公開)

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特殊な箔素材の重ね合わせにより、表面と影が異なる様態を示す織物です。緯糸として用いるフィルムの表面に微細構造を制御したインクによる印刷パターンを施すことで特定の波長を反射し、金属光沢のような質感を生み出します。このフィルムを複数枚特定の順序で重ねて織り込むことで、織物の透過光とフィルム裏面からの反射光が重畳し、色の変化だけではなく印刷パターンの周期的なずれによるモアレパターンが現れます。

■WP007 <Pixels>(※一般初公開)

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この織物はドットマトリクス状に発光する機能を持ちます。箔に電流を流すと、緯糸に織り込まれた有機ELダイオード (OLED) 箔が自発光します。OLED箔と、経糸の導電糸との交差によりマトリクス状の回路を構成しています。箔は背面に配置され、非発光時にも西陣織の意匠を損なうことはありません。しなやかさや織長に応じたスケーラブルな設計が可能です。

■Wave of Warmth

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制作年:2021年

周辺環境の温度に応じて色が変化する織物です。特定の温度に達すると呈色するロイコ色素を含んだインクを和紙の両面に塗工し、裁断することで、箔紙として緯糸に織り込んでいます。25度以上になると黒から青色に呈色し、温度が下がると黒色へと戻っていきます。この可逆的かつリアルタイムの変化を通して、温度の変化を視覚的にも訴えることで人々の意識を開きます。

作品紹介映像:https://www.youtube.com/watch?v=nHATfYwarpQ

■Drifting Colors

制作年:2021年

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クロマトグラフィーというロシアの植物学者ミハイル・ツヴェットが発明した物質を分離する技法を応用した織物です。本来、染色とは糸に染料を吸収させ、定着させることを指しますが、この作品では、それぞれの染料の電荷・質量・疎水性の差により、異なる時間で糸の中を染料が移動します。湿度や水分量を適正に保つことで、この分離と移動が起こり、染料が糸へと浸透した後も動的に色が変化し続けます。

作品紹介映像:https://www.youtube.com/watch?v=mX6UnyONVgk

<ご参考情報>

<株式会社ZOZO NEXTについて>

ZOZO NEXTは「Create the Future of Fashion and the NEXT Big Thing.」をミッションに掲げ、ファッション領域におけるユーザーの課題を想像しテクノロジーの力で解決することで、より多くの人がファッションを楽しめる世界の創造を目指しています。ファッションを数値化し、科学的に解明するための研究機関「ZOZO研究所」やファッションの未来に影響を与える6領域のテーマでZOZOグループの新規事業の創出を目的とする「MATRIX」などでR&Dをおこなっています。

株式会社ZOZO NEXT 公式サイト:https://zozonext.com/

<国立大学法人東京大学大学院情報学環について>

東京大学大学院情報学環は、2000年に学際情報学府と共に創設された大学院です。東京大学全学にわたる「情報」をめぐる諸領域を流動的に連携させるネットワーク組織として設計されました。2018年に情報学環にて立ち上げられた筧康明研究室では、理工学、アート、デザインなど多岐に渡る専門性を持つメンバーが所属し、先端的なフィジカルインタフェース研究、およびそれらを活かした体験デザインやアート表現に関する学際的な活動を展開しています。

東京大学大学院情報学環 公式サイト:https://www.iii.u-tokyo.ac.jp/

東京大学大学院情報学環 筧康明研究室:https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp/

<株式会社 細尾について>

元禄元年(1688年)、京都西陣において大寺院御用達の織屋として創業しました。京都の先染め織物である西陣織は1200年前より貴族をはじめ、武士階級、さらには裕福な町人達の圧倒的な支持を受けて育まれてきました。細尾は今、帯やきものといった伝統的な西陣織の技術を継承しながら、革新的な技術とタイムレスなデザイン感性を加えることによって、唯一無二のテキスタイルを生み出し、国内外のラグジュアリーマーケットに向けて展開しています。

株式会社 細尾 公式サイト:https://www.hosoo.co.jp/

<三菱地所株式会社について>

三菱地所は1937年設立の総合不動産会社です。「まちづくりを通じた社会への貢献」を基本使命に掲げており、東京・丸の内に代表されるオフィスや商業施設の開発・賃貸・運営管理をはじめ、住宅の開発・分譲、更には設計監理や不動産仲介、海外事業、エリアマネジメントなど多岐にわたる事業を展開。企業や個人を触発する、豊かでイノベーティブなまちを目指し、アートを取り入れたまちづくりを進めています。三菱地所は、アートは人々の心を豊かにし、イノベーションをもたらす重要な要素と捉えており、今回HaNTに本展示会を誘致することとなりました。

三菱地所株式会社 公式サイト:https://www.mec.co.jp/

<Tokyo Marunouchi Innovation Platformについて>

TMIPは、一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会が運営する組織で、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)のイノベーション・エコシステム形成に向けて、大企業とスタートアップ・官・学が連携して社会課題を解決することでグローバルなマーケットに向けたイノベーションの創出を目指すプラットフォームです。会員、パートナーを含めると100社を超える組織になります。

Tokyo Marunouchi Innovation Platform 公式サイト:https://www.tmip.jp/ja/


<ツーリスト・コミュニケーション・センター「Have a Nice TOKYO!」について>

Have a Nice TOKYO!(略称:HaNT)は、丸の内エリアの就業者や来街者、国内外の旅行者に向けて、東京と日本の魅力を発信するツーリスト・コミュニケーション・センターです。本施設は、東京や日本全国の観光資源・文化・食・技術といった多彩な魅力を国内外に向けて発信する場として、(1)観光機能、(2)情報発信機能、(3)物販機能の3つの機能を有しています。

HaNT 公式サイト:https://haveanice.jp/